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▼ 倫理綱領について その1の続き
前回、倫理綱領について その1 を書きましたので、そろそろ その2 で、総論というものに言及すべきなのですが、村本先生の指摘をもう少し見てみたいと思います。非常に重要なことをおっしゃっていただいていると思います。
==

「しかし、その反面、ボディワークの特殊性も感じさせられました。
 ボディワークはまさに発展途上というか、形成途上の職種ですね。組織がようやく
端緒につき、ケアの基準(ボディワークとは何をするものであるのか、何を期待で
き、何がサービスの範囲外か、医学的知識、心理学的知識はどこまで求められるかな
ど)についての理解が、客はもちろんのこと、会員自身にさえまだ不確かなところが
多々あるようで、色々迷われてるようですね。私自身さえ、類似のボディワークや指
圧、マッサージ、エステなどと、どこがどのように違うのかは正直言って、わかって
いないことがわかりました。風俗(たとえば、いわゆる性感マッサージなどもこれに
入るのでしょう)との区別さえ、ある種の男性客や中には女性客にさえわかっても
らっていないようですね。
 ボディワーカーとしてのProfessional identityをどのように具体的に形成する
か、大問題ですね。」

また、このようなこともおっしゃっています。

 
 「施術中あるいは施術前後の会話は、実践の中でどのように位置づけられているのか
にも興味が持たれます。カウンセラーやサイコセラピストにかかった方がよいものも
少なくないようですね。会話も大事だからといって、カウンセラーみたいな応答をし
ていれば、ボディワークでなくなってしまいますね。そのあたりの線引きがむつかし
そうだと感じました」。

私も会話には、かなり気を使います。カウンセラーやサイコセラピストではないが、ボディワーカーなりの会話というものがあると私は考えています。それは、「自分のからだに意識を向けてもらうような会話」ということです。私は、セッションを受けていただく前の会話は、ある意味ではクライアントが自分自身のからだに向き合う時間に入っていくための導入としての意味合いを見出しています。ですから、もし、クライアントが病気や怪我などの過去の体験を話し出しても、そこにフォーカスしないで「では今はどのようにお感じですか?」というような質問をします。あくまでも、今この瞬間の自分自身のからだの感覚を安心して味わうことに集中してもらえるような空間を作りたいのです。

そして、会話は長すぎないように気を使います。が、お互いに安心感を見出せるような会話も必要だ、と感じています。

カウンセラーやサイコセラピストに紹介するべきではないかと思われる方もいらっしゃいますが、いまのところ、具体的に紹介できるネットワークを持っていません。そういう部分は今後、心理の方々と連携していくべき点と考えています。

その他、以下のようなこともあげていただきました。


 「また、身体接触を含んでいるからなのか、メル友になることを求められるなど、個
人的関係に入らされやすい仕事なのかとも思いました。職業倫理でいう多重関係につ
いて他の職業以上に敏感にならざるをえない、しかも、だからといって慎重になりす
ぎると、仕事になりそうにない仕事みたいですね。」

 
 「他の職種は機関勤めが普通であるのに対して、開業にあたっての悩みが多いことも
特徴的みたいですね。客集めや税金対策、チラシの作り方などについての具体的なノ
ウハウへのニーズだけにとどまらず、他の者からのモニタリングがなく、自分で自分
の実践を管理しなければならないので、ついつい心身をこわしたり、無理な、結果的
に、非倫理的実践に陥りやすいリスクをかかえているのかもしれません。他の職種以
上にセルフケアが求められているようです。一方で、何人かの方が言われているよう
に、雇われて実践するときには、仕事の内容に理解がなくて儲け本位の経営者や上司
に悩まされ、専門性どころではなくなります。」

ホントにそうですね。
分かっておかなければならないのは、ボディワークとは、近年の日本の社会的変化やニーズに伴って新しく起こってきた形成途上の職種であるということだと思います。私たちボディワーカーは一人ひとりが言ってみれば、パイオニアとして現在仕事をしているのであり、そういう意味では、誰に頼るのではなく自分たち自身の手で専門性を明らかにし、倫理を求め、それを明文化し、実践していかなければならないのではないでしょうか。


私たちがが作ろうとしているものは、「倫理綱領」となるそうです。他には、「倫理規準」、「倫理ガイドライン」や「実践指針」などが考えられるそうです。「倫理規程」(「規定」ではなく「規程」ですが)は、どうも倫理委員会での審議のあり方を定めたものとして使われているようです。


村本先生が、以下のホームページを紹介してくださいました。
時間のある方は、「倫理」についてどのように述べられているか
参照してみてくださいませ。

日本臨床心理士会
http://www.jsccp.jp/node/29

日本心理臨床学会
http://www.ajcp.info/aboutajcp5.htm

その2 では、もっといろいろ職能団体のHPを資料としてあげてみたいと思っています。

「もう少し会員が増えてきて大所帯になってくれば、クライエントから申し立てられた会員の倫理問題を審議する場として倫理委員会が組織されねばならなくなってくるかと思います。といっても、自分たちの組織、自分たちのためのガイドラインという気持ちをいかに持ち続けてもらうかが大切ですね。」

と村本先生はおっしゃっていますが、そこまで私たちがいけるかどうか、でもあせることはないのでひとつひとつ丁寧に考えて行動していけば、形になってゆくでしょう。

最後に村本先生の言葉を添えて、この項を終えたいと思います。

「すてきな倫理綱領ができそうですね。ボトム・アップで倫理綱領を作っている職能団体は日本ではまだごく僅かであり、このやり方で作成できれば素晴らしいです。」

また、私はこの項を書きながら、以下のようなことを考えました。

この項の中で、私は、ボディワークとは「対人援助職」であることをまずは確認しようと述べましたが、多くの対人援助職が、身体接触が付随するものであるのに対して、ボディワークの特殊性は、身体接触そのものを目的としている、という点ではないか、と思いました。

ですから、身体接触そのもののもつ価値とは何ですか?という質問は有効かもしれません。この質問に例えば、肉体レベルでは、心理的レベルでは、スピリチュアルなレベルでは、などとしてひとつひとつ答えてゆけば、ボディワークとはなんぞや、という問いに明確な答えを求めることができるのではないのかなと考え始めています。

また、これはずっと私がこだわってきたテーマなのですが、「個の尊重」ということについてボディワークが果たす役割は大きいと感じているのです。私は、日本という国の住民は、「個の尊重」ということについて非常にあいまいか、あるいはまるで気づいていないと思うのです。歴史的事実として近代国家の体裁は大急ぎで無理につくったけれど、意識は封建時代のものをそのまま引きずったままなのかもなーと。

私は、触れられることを通して(ボディワークのセッションを受けることという意味合いで)、尊重されるということが、具体的にどういうことなのか自分自身の身体感覚として確認してきたような気がするし、それが必要だったし、これからも必要だと感じています。

| 心で触れるボディワークのこと | 00:22 | comments(0) | - |
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